恋の悪あがき〜甘い香りに誘われてⅡ
私に腕を掴まれた松田さんは、呆れながらもついて来た。


二人で電車に乗ること30分。

静かな住宅街を、松田さんと歩く。

マンションが見えてきた。いたって普通の1DKだ。

カチャ…

松田さんにハンガーを渡し、

「上着…そこに掛けて下さいね。洗面所はこっちです」

松田さんが手を洗ってる間に、ベランダでニラを収穫する。

ガラ…

わあ。よく育ってるなあ。

美味しそう。

収穫を終え、部屋に戻ると、ちょうど、手を洗い終わった松田さんがリビングに戻ってきた。

ニラをガン見してる…

「それ…何?」




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