恋の悪あがき〜甘い香りに誘われてⅡ
*大樹side*

パタン…

静かに閉まったドアを眺める。

ふうぅ…

「ったく…この子は。

男を部屋に入れるって、どういうことか分かってんの?」

慣れてる…わけじゃなさそうだ。

純粋に、餃子を作って食べたかったんだろうな…

売り場で餃子の皮を同時に取ったのが、俺でなくても…矢野とかでも家に誘ったのか?

「……」

想像しかけて嫌になる。

『俺と一緒に住むか?』

なぜ、そんな言葉が出たのか、自分でも分からない。

ただ、佐伯 悠里と一緒に住んだら、楽しいだろうと思ったんだ。
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