恋の悪あがき〜甘い香りに誘われてⅡ
「ひやっ…冷たっ!」

渡されたアクエリ○スは、キンキンに冷えてる。

「わざわざ買ってきてくれたんですか?」

ここから自販機は遠い。

「…ああ。まあ、ついでだ」

ボソボソと小声になる松田さんの耳が、少し赤い。

席を譲って赤くなる高校生って感じ。

かっ…可愛いかも。

「ありがとうございます!松田課長」

私のために買ってきてくれたことが嬉しくて、笑顔になる。

「いいから。戻るぞ」

クルッと背を向けて、私から離れていく。

コツ、コツ、コツ…

ジッと松田さんの後ろ姿を見てると、振り返った松田さんが、

『早く来い』

口パクで言ってくる。

ふふふ…


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