恋の悪あがき〜甘い香りに誘われてⅡ
盛大にため息をつかれる。

ポンッと私の肩に手を置き、

「仕事じゃない。失恋したんだ」

え?この人が振られることあるの⁉︎

ウソだーーっ

「ったく、ほっとけ…そろそろ行くぞ」

失恋か…こんな素敵な人を振るなんて…

でも、ちょっと羨ましい。

「羨ましいです」

はあ?て顔されるが、構わず続ける。

「松田さんが羨ましい。私は、すごく傷付いたり、落ち込むほどの恋をしたことないんです。

今まで、私のことを好きって言ってくれて、付き合い始めても、外見とのギャップにガッカリされる。

いつも『そんな子だとは思わなかった』て振られる。
だから、私の内面を認めてくれる人に会いたい」

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