才川夫妻の恋愛事情
キスは少しずつ深くなっていって、私の体は段々後ろへ反っていった。ただシングルベッドでそれは、後ろまで倒れてしまうとベッドから落ちてしまう。気付いた才川くんがそこでキスをやめた。
「危ないな。……上乗って」
「うん……」
抱き止められている体から一度離れて、足を伸ばしてベッドに座っている才川くんの膝の上に、向かいあう形で座り込む。すると首筋にキスをされて、そこから顎を辿ってまた唇に辿りついた。チュッと音をたてて吸われるとたまらなくなって、才川くんの首に腕をまわす。
昨晩のことを彷彿とさせるキスだった。唇を食むキスを交えながら、角度を変えて何度も舌を奥まで伸ばしてくる。
「っ、は……才川く……」
「ん……? ……何?」
「したい……」
「……何を?」
「っ」
「……こら、黙ってうつむいてないで。何? ちゃんと言わなきゃわからない」
「~っ……!」