才川夫妻の恋愛事情
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夜。帰宅して、夕飯を済ませて風呂も済ませた、一日のうちで最もまったりした時間。 ソファに座ってぼーっとテレビを眺めながら、そろそろ寝るかな、と思っていた。
「……ん?」
そこに髪を乾かし終えたみつきがパジャマ姿でやってきて、少しぎこちない動きで隣に座った。やけに姿勢がよくて、表情がカタくて。また何か企んでいるんだろうかと思いながら、一旦スルーしてテレビに視線を戻す。
すると今度は視界が塞がれて、何かと思えば、顔を覗きこんできたみつきにキスされていた。
ぎこちなくて、舌を伸ばしてくる気配もない。 表面だけを触れさせてすぐに離れていく。みつきの表情はまだカタい。
「……何、急に」
「才川くん……その」
「ん?」
「……エッチしたい」
「……」
きゅっと服の端を掴んでいる手は小刻みに震えて、緊張が伝わってくる。
「……今日は無理」
「えぇっ」
“頑張って言ったのに!”と真っ赤になって不服そうな顔をするみつきを見て思ったことは。
(はー……抱き潰したい)
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