才川夫妻の恋愛事情
「ちょうどいいわ。まだ管理職にしか挨拶にいけてなかったし、二人とも同じ部署なんだから挨拶しときましょ」
「え、えぇっ」
行きましょうか、と言って松原さんは席を立ちあがり、まっすぐに二人がいる営業二課の島へと歩いていく。心の準備ができていなかった私はあたふたとしながら立ち上がり、後ろをひょこひょことついていった。
「お疲れ。二人とも今ちょっといいかしら」
松原さんが声をかけると二人は振り返った。
椅子に座っていた彼も、傍に立っていた彼女も、急に声をかけられてきょとんとした顔がそっくりだと思った。
「お疲れ様です、松原さん」
彼は爽やかに笑って答える。初めて正面に立ったけれど、見れば見るほど綺麗な顔をしている。すっとした鼻筋と切れ長の目。閉じた口の端も少し上がっていて感じがいい。あぁこの人絶対人気あるな、と一瞬で悟った。彼女のほうはと言えば、ぺこりとお辞儀をして控えめにその場に佇んでいる。遠目に見て、ふわふわとした外見と顔から幼い印象だった彼女は、間近で見るとずっと凛としていて落ち着きがある。
「新人を紹介しようと思って。私がトレーナーをすることになった野波千景。一緒に仕事することは当分無いかもしれないけど、飲みに連れてったげて」
「新入社員の野波千景です。よろしくお願いします」
慌ててぺこりと頭を下げる。
顔をあげると二人は、そっくりな表情でふわりと笑っていた。
「え、えぇっ」
行きましょうか、と言って松原さんは席を立ちあがり、まっすぐに二人がいる営業二課の島へと歩いていく。心の準備ができていなかった私はあたふたとしながら立ち上がり、後ろをひょこひょことついていった。
「お疲れ。二人とも今ちょっといいかしら」
松原さんが声をかけると二人は振り返った。
椅子に座っていた彼も、傍に立っていた彼女も、急に声をかけられてきょとんとした顔がそっくりだと思った。
「お疲れ様です、松原さん」
彼は爽やかに笑って答える。初めて正面に立ったけれど、見れば見るほど綺麗な顔をしている。すっとした鼻筋と切れ長の目。閉じた口の端も少し上がっていて感じがいい。あぁこの人絶対人気あるな、と一瞬で悟った。彼女のほうはと言えば、ぺこりとお辞儀をして控えめにその場に佇んでいる。遠目に見て、ふわふわとした外見と顔から幼い印象だった彼女は、間近で見るとずっと凛としていて落ち着きがある。
「新人を紹介しようと思って。私がトレーナーをすることになった野波千景。一緒に仕事することは当分無いかもしれないけど、飲みに連れてったげて」
「新入社員の野波千景です。よろしくお願いします」
慌ててぺこりと頭を下げる。
顔をあげると二人は、そっくりな表情でふわりと笑っていた。