冬に響くセレナーデ
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冬の練習室は暖房が強すぎて蒸し暑く、ほんのりとカビのにおいが漂っていた。
「大丈夫?」
ピアノの伴奏者、アシュリーが心配そうに言った。
「うん、少しフラフラしただけ。もう一度最初から合わせられる?」
父の転勤で南半球のこの国に来てからもうすぐ2年。
ここはオーケストラが盛んな国で、普通高校の一般の学生でも楽器を専攻してレッスンを受けている人が多い。
私もその一人。
楽器はオーボエだ。
「あっ!今、ベル鳴った⁈もうオケ(オーケストラ)の合奏の時間だね!」
アシュリーはさっと楽譜をまとめ、
「明日も同じ時間でいい?」
と聞いた。
「大丈夫?」
ピアノの伴奏者、アシュリーが心配そうに言った。
「うん、少しフラフラしただけ。もう一度最初から合わせられる?」
父の転勤で南半球のこの国に来てからもうすぐ2年。
ここはオーケストラが盛んな国で、普通高校の一般の学生でも楽器を専攻してレッスンを受けている人が多い。
私もその一人。
楽器はオーボエだ。
「あっ!今、ベル鳴った⁈もうオケ(オーケストラ)の合奏の時間だね!」
アシュリーはさっと楽譜をまとめ、
「明日も同じ時間でいい?」
と聞いた。
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