冬に響くセレナーデ
8
「やだな、もう少しで休みが終わっちゃう。」
私は頬を膨らませながら言った。
「そうだね。」
「今年も新しい発見がたくさんあったよ。」
「そうなの?」
「うん。」
「来てくれてありがとう。」
「どういたしまして。今度は奏美が来る番だよ。」
「どうやってママたちを説得しようかな?」
「そうだな…。何か考えておくよ。」
そんな会話をした日、ママがいった。
「ねえ、今度、ニコラスを食事に招待したら?」
「え?家に?」
「そう、ママ、日本食を作ってあげる。」
「聞いてみるね。」
そうしてニコラスはわが家に招待された。
「はじめまして、ニコラスです。」
「よく来たね。寛いでいって下さい。」
パパが嬉しそうに言う。
「はじめまして、まあ、聞いていたより、かっこいいじゃない!」
「ママ!」
「ごめんね!つい、言っちゃって!さあ、遠慮しないで食べて下さいね!」
ママは朝から張り切ってデザートまで手作りしていた。
「美味しいです。」
「まあ、良かった!」
たくさん食べて、和気あいあいとした雰囲気の中、ニコラスはこう言った。
「奏美とは去年の冬に知り合って、お付き合いを始めましたが、この期間の中で僕はとても感じるものがありました。僕はまだ学生ですが、大人と同じ分別は持っていると思います。そこで、お願いなのですが、彼女が卒業したら、1ヶ月ほどドイツへ滞在させて頂けないでしょうか。」
ママはニコニコしていた。パパは何も喋らなかった。
「僕の住む世界を彼女に見せたいんです。」
「パパ。」
ママがパパを促す。
「あー、以前奏美は卒業したらドイツに語学留学に行きたいと言っていてね。思いつきならやめるよう家内が言ったそうだが、これは思いつきじゃないんだね?」
「ただの思いつきではありません。大学に行く前のひと時を充実したものにしてあげたくて、真剣に考えました。」
「私は学生時代よく旅をしてね。ドイツへも行ったよ。良いところだったね。しかし、娘を旅に出すのは少し不安でね。」
「大丈夫です。僕が責任を持って面倒をみます。」
「約束できるかい?」
「はい。」
「ー。奏美はどうなんだ?」
「大丈夫、私、知らない世界も見てみたいの。」
「そうか。」
「パパ。」
またママが促す。
「そうか…。それなら、行ってみなさい。」
「パパ!ありがとう!」
こうして私はドイツへ旅することになった。
私は頬を膨らませながら言った。
「そうだね。」
「今年も新しい発見がたくさんあったよ。」
「そうなの?」
「うん。」
「来てくれてありがとう。」
「どういたしまして。今度は奏美が来る番だよ。」
「どうやってママたちを説得しようかな?」
「そうだな…。何か考えておくよ。」
そんな会話をした日、ママがいった。
「ねえ、今度、ニコラスを食事に招待したら?」
「え?家に?」
「そう、ママ、日本食を作ってあげる。」
「聞いてみるね。」
そうしてニコラスはわが家に招待された。
「はじめまして、ニコラスです。」
「よく来たね。寛いでいって下さい。」
パパが嬉しそうに言う。
「はじめまして、まあ、聞いていたより、かっこいいじゃない!」
「ママ!」
「ごめんね!つい、言っちゃって!さあ、遠慮しないで食べて下さいね!」
ママは朝から張り切ってデザートまで手作りしていた。
「美味しいです。」
「まあ、良かった!」
たくさん食べて、和気あいあいとした雰囲気の中、ニコラスはこう言った。
「奏美とは去年の冬に知り合って、お付き合いを始めましたが、この期間の中で僕はとても感じるものがありました。僕はまだ学生ですが、大人と同じ分別は持っていると思います。そこで、お願いなのですが、彼女が卒業したら、1ヶ月ほどドイツへ滞在させて頂けないでしょうか。」
ママはニコニコしていた。パパは何も喋らなかった。
「僕の住む世界を彼女に見せたいんです。」
「パパ。」
ママがパパを促す。
「あー、以前奏美は卒業したらドイツに語学留学に行きたいと言っていてね。思いつきならやめるよう家内が言ったそうだが、これは思いつきじゃないんだね?」
「ただの思いつきではありません。大学に行く前のひと時を充実したものにしてあげたくて、真剣に考えました。」
「私は学生時代よく旅をしてね。ドイツへも行ったよ。良いところだったね。しかし、娘を旅に出すのは少し不安でね。」
「大丈夫です。僕が責任を持って面倒をみます。」
「約束できるかい?」
「はい。」
「ー。奏美はどうなんだ?」
「大丈夫、私、知らない世界も見てみたいの。」
「そうか。」
「パパ。」
またママが促す。
「そうか…。それなら、行ってみなさい。」
「パパ!ありがとう!」
こうして私はドイツへ旅することになった。