冬に響くセレナーデ
土曜日は意外と早くやってきた。夕方、シャワーを浴びて、素敵なワンピースに着替える。髪はアップにして、少しお化粧をしよう。早めの夕食を済ませたら、バスに乗ってコンサートホールまで行って、ロビーで待ち合わせ。
「ママ!いってきますー!」
「気をつけてね!」
我が家では行き先をきちんと告げていれば、門限などはうるさく言われない。以前からコンサートへ頻繁に通っているので、ママも安心して送り出してくれた。
バス停に着くと、丁度バスもやってきた。この時間の車内は空いていて、好きな席に座ることができる。10分ほどで目的地に到着したので降りると、ニコラスは迎えに来てくれていた。
「ロビーで待ち合わせだったけれど、女の子を一人で歩かせる訳にいかないからね。」
「ありがとうございます。」
「今日の格好も素敵だよ。」
私は小声でありがとうと呟いた。
「行こうか。」
「はい。」
会場は目と鼻の先なので、数分で到着した。
まだレディーファーストの世界に慣れていない私は、自分で扉も開けられるし、階段はニコラスの後について登ってしまう。
「任せて。」
彼がホールへと続く扉を開けて、席へと促す。着ていたコートをなんの躊躇いもなく脱ぐのを手伝ってくれ、私が席に座った後に座る。
「とても紳士なんですね。」
「そんなことないよ。僕はマヌケにだってなり得る。」
思わず笑ってしまった。マヌケ!どうやってもなれなさそうだけど。
「あなたはとても素敵な方ね。」
「そう言ってもらえて、嬉しいよ。」
こんな話をしているうちに、開演のブザーが鳴った。
「ママ!いってきますー!」
「気をつけてね!」
我が家では行き先をきちんと告げていれば、門限などはうるさく言われない。以前からコンサートへ頻繁に通っているので、ママも安心して送り出してくれた。
バス停に着くと、丁度バスもやってきた。この時間の車内は空いていて、好きな席に座ることができる。10分ほどで目的地に到着したので降りると、ニコラスは迎えに来てくれていた。
「ロビーで待ち合わせだったけれど、女の子を一人で歩かせる訳にいかないからね。」
「ありがとうございます。」
「今日の格好も素敵だよ。」
私は小声でありがとうと呟いた。
「行こうか。」
「はい。」
会場は目と鼻の先なので、数分で到着した。
まだレディーファーストの世界に慣れていない私は、自分で扉も開けられるし、階段はニコラスの後について登ってしまう。
「任せて。」
彼がホールへと続く扉を開けて、席へと促す。着ていたコートをなんの躊躇いもなく脱ぐのを手伝ってくれ、私が席に座った後に座る。
「とても紳士なんですね。」
「そんなことないよ。僕はマヌケにだってなり得る。」
思わず笑ってしまった。マヌケ!どうやってもなれなさそうだけど。
「あなたはとても素敵な方ね。」
「そう言ってもらえて、嬉しいよ。」
こんな話をしているうちに、開演のブザーが鳴った。