幽霊探偵

二人で外に出ると生ぬるい風が吹いていた。日はだいぶ落ちているが湿度が高くじめじめとしていた。
「暑っ！くそっ！もう夕方なのになんでこんなに暑いんだよ！」
と潤が叫ぶと、実梨花はクスクス笑い
「樹里先輩が潤は暑い、暑いうるさいって言ってましたけど、ホントに暑い、暑いって言っているんですね。」
と言った。
「樹里め...。」
といった会話をしながら歩いていると、
「お～い。お二人さん！デートですかい？」
と声をかけられた。
実梨花はビックリして後ろを振り返ったが、潤は
「何言ってるんだよ。樹里！」
とため息混じりで振り返った。
「さすが幼馴染み。声だけでわかるとは。」
とからからうように言った。
「な、なんだ樹里先輩かぁ。びっくりしました。」
と実梨花が言うと、
「実梨花ちゃんと潤が一緒って珍しくない？」
と樹里が言うと
「今日昼くらいから家に来てたんだよ。ね？」
と、潤が実梨花に同意を求めると
「そ、そうなんです。」
と実梨花が慌てて答えた。
すると、樹里は
「なーるほど。」
と再びからかうような顔をして、実梨花に近づき
「潤は恋に関しては凄く鈍いから頑張ってね！」
と耳元で囁いた。
「え！？」
と実梨花がびっくりすると
「すぐに分かったよ。実梨花ちゃん分かりやすい。」
と樹里が言った。
「なんの話だよ！」
と潤が叫ぶと
「なんでもない。強いて言うなら乙女の秘密かな？ 」
と樹里が笑いながら言った。
なんじゃそりゃと潤が苦笑している横で実梨花は俯いて顔を真っ赤にしていた。