二度目の恋


『……黙ってて、ごめん』

「いや、簡単に言えるものじゃないでしょ……まぁ、驚いた、けど」



少しの沈黙
それを破ったのは、また河村さんだった


「まず、さ……遥輝くんのことより、田宮さんがどうしたいか……だよ?それから遥輝くんに伝えなきゃ」


私が……どいしたいか、
どうしたいかなんて、決まってる
一輝も、遥輝も大事なの

一輝ともいたいけど、
けど……


答えがなかなか出ない



「……田宮さん?遥輝くんだって、これから恋をして結婚する。いつかは田宮さんから離れていくんだ。田宮さんが幸せじゃないと、遥輝くんも幸せになれないよ?……だから自分の気持ちに正直に、」


河村さんの言葉にハッとする
私は何を天秤にかけていたんだろう
いつも隣にいる遥輝がこれからも当たり前のようにいると思っていた

けど、それは違う
遥輝は私の恋人でもない私の息子だ。
< 113 / 269 >

この作品をシェア

pagetop