二度目の恋
『私には好きな人がいるんです。もうずっと昔なんですが、忘れられなくて……その人が残してくれたモノを大切に生きていこうと思ってます、……あ、その人が亡くなったとかじゃないんです。』
そう言うと、三木田社長は
「すまなかった」
そう言って会議室を出て行った
その時の私は
仕事の邪魔をして…という意味だと勝手に思っていた
『……あっ、』
そう、もしかしたら
三木田社長は私が一輝の恋人だったことを知っていたのだろうか……
だからあんな質問をして
……謝ってきたんだろうか
「……どうした?」
運転する一輝が私に話しかけてきた
けど、今となっては
どうにもできない話だ
なんでもないよ
そう伝え、私は一輝の顔を見た
一輝はどちらかというと、母親似
遥輝は一輝に似ているが
三木田社長にも、なんとなく似ている
三木田社長……
元気なうちに、遥輝を会わせてあげてたら何か違ったのかな?