二度目の恋




『私には好きな人がいるんです。もうずっと昔なんですが、忘れられなくて……その人が残してくれたモノを大切に生きていこうと思ってます、……あ、その人が亡くなったとかじゃないんです。』


そう言うと、三木田社長は
「すまなかった」

そう言って会議室を出て行った
その時の私は
仕事の邪魔をして…という意味だと勝手に思っていた




『……あっ、』




そう、もしかしたら
三木田社長は私が一輝の恋人だったことを知っていたのだろうか……

だからあんな質問をして
……謝ってきたんだろうか



「……どうした?」



運転する一輝が私に話しかけてきた
けど、今となっては
どうにもできない話だ


なんでもないよ


そう伝え、私は一輝の顔を見た
一輝はどちらかというと、母親似
遥輝は一輝に似ているが
三木田社長にも、なんとなく似ている


三木田社長……
元気なうちに、遥輝を会わせてあげてたら何か違ったのかな?
< 120 / 269 >

この作品をシェア

pagetop