二度目の恋



そして、日曜日
私と遥輝は一輝のマンションへ向かった


「手土産、何がいいかな?」


遥輝は私と全く違い
ウキウキしている様子だった


遥輝の好きなケーキ屋さんに寄り
幾つかのケーキを選び
二人で電車に乗り向かった



駅からマンションまで10分
二人で歩いていると
遥輝が話し出した



「どうするだろうね、あの人。受け入れてくれるかな?」


淡々と言う遥輝の言葉は
他人事のようだ


『……遥輝は?……遥輝はどうなの?』



なかなか聞けなかった事だった
聞いてはいけないんじゃないかと思っていたけど、遥輝は普通に返してきた


「俺はさ、美奈ちゃんが幸せになればいいってのが一番。その相手が誰であろうと。……生まれた時から俺には父親はいないから、いきなり父親ですよって顔されても困るなー、だからお友達からお願いしますって感じかな」


ニコッと笑う顔が
なんだか嬉しそうだ。
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