二度目の恋


『は、遥輝っ……』



「美奈ちゃん、動けないからっ」


笑いながら振り向く遥輝は
私を抱きしめてくれた


「昔は美奈ちゃんに抱きしめてもらったけど、今はもう抱きしめることができるくらい、成長したんだよ?美奈ちゃんが愛情たっぷり育ててくれたおかげ。」
「けど、美奈ちゃんを抱きしめてあげるのは最初で最後。これからはあの人に抱きしめてくれるから…」


そう言って私を離し
そのまま数歩後ろへと押された


トンっと、当たったのは
いつの間にか立っていた一輝



「……先に帰るね。明日も仕事なんだから、ちゃんと帰ってくるように、」
「……今後のことは二人で話し合って。……父さん、母さんのこと……頼みます」


そう言って、遥輝は頭を下げた
久しぶりに呼ばれた、
涙が……止まらない



「……勘違いするな、お前も家族だぞ」


一輝の言葉に遥輝は頭を上げ
そうだった、と笑っていた
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