二度目の恋
20年前に言われたかった言葉
次から次へと溢れる涙
私は子供みたいに泣きじゃくってしまった
「な、泣くなっ!どうしていいか、わからねえって!な、な?頼むから……」
焦る一輝が面白くて
泣きながら笑っちゃう
「その涙はOKと受け取っていいんだね?」
その言葉に頷くのか精一杯
一輝は確認すると
私を抱きしめ、泣きじゃくる顔を
無理やり上げた
『うっ……いやっ…こ、な、顔……』
こんな顔、見られたくない
36歳にもなって、ボロボロ泣いている顔なんて…よりによって一輝に見られるなんて……絶対嫌だ
けど、一輝はそんなのお構い無し
私の顔を見ながら
ニヤニヤしていて…むかつくっ。
「20年間、我慢させてごめん。遥輝をあんな立派に育ててくれてありがとう。これからは、俺が……美奈を幸せにする」
また涙が溢れ出しそうになった
涙が頬に伝う前に、一輝の唇が触れた