二度目の恋




それでね……と言いながら動き出す一輝



既に私の頭はついていけてない



「子供。…ほしい、美奈に、…似た」



そのあと、一輝が何を言ったのか
私の耳には入ってこなかった



目が覚めた時には夜の9時
遥輝に帰ってこいと言われていたのを
思い出して、慌てて家を出た



「あいつは美奈の母親だな」


本当だよ、
一輝は送ってくれると言ってくれたけど
身体の火照りも覚ましたくて
電車で帰ることにした


駅まで送る、と言ってくれて
一輝と手を繋いで歩いた


手を繋いであるくなんて
これまた20年ぶりだ


『この歳なら、腕を組んだほうがいいんじゃない?』


けど一輝は
20年前からやり直してる最中だから


あの頃を思い出しているようだった。
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