二度目の恋
『もしかして、車からここまで一輝が?』
そうだけど?と普通に答えてくる
想像しただけで恥ずかしい
それに気付かず寝ていたなんて…
っていうか、ここどこ?
窓から見る景色は海が見える
「一緒に暮らさないか?」
一緒に?一輝の突然の言葉に驚く
けど、あと数週間で私は仕事を辞める
そしたら、一緒に暮らすって話になっているはずなのに……
『けど、あと数週間だよ?』
「ああ、わかってる。けどその数週間が我慢出来ないって言ったら?」
一輝の言っていることはわかる
だって、私もそうだから
「美奈がいない部屋は寂しい、美奈がいないベットは冷たい。美奈と会えない日々は……俺には地獄なんだ」
世間で40歳なんて言ったらおじさん
見た目は30代前半だとしても、おじさんは、おじさんだ
そのおじさんが恥ずかしくもなく
寂しい、一緒にいたいと言ってくれる