二度目の恋
『後悔…しない?』
「アホか、後悔なんて20年しっぱなしだ!もう、あんな思いはしたくないし、美奈にもさせたくない。」
一輝は持っていたフォークを置き
一度席を立ち、ソファの上に置かれていた鞄から何かを取り出した
一輝はひとつ、真四角な箱を
テーブルの上に置いた
「……これは20年前の」
そう言って、もう一つ
「これが、今の」
二つの真四角な箱
開いてある箱の中は
20年前の、という箱の中も
今の、と変わらずキラキラと輝いてた
「どっちがいい?」
ニカッと笑いながら
私を見つめる一輝
どっちか、かいっ!と言いたくなる
『……どっちが、いい?』
一輝は悩んでいる振りを
わざとらしくしている
二つとも、シンプルなデザインで
はめていても、生活に全く支障がなさそうだ