二度目の恋



「まさか…こんな形でお会いするとは思いませんでした」


加瀬さんは、涙ながらに
この20年、秘書として三木田社長を見てきたことを話してくれた


私が思っていたとおり
三木田社長は私と遥輝の存在を知っていた
知ったのは偶然だったらしい
たまたま見かけた遥輝が
小さい頃の一輝にそっくりだったこと

あの時、私と一輝を引き裂いたことを
少なからず後悔をしていて
もしかしたら……と頭によぎり
遥輝の事が気になり、調べてしまった


どんなに縁談を進めても一輝は断り続け
日本に帰ってこない
婚約者がいる、と伝えても全く素知らぬふり

早くその婚約者と一緒になれば
忘れるだろうと思っていたが
一輝の気持ちは全く変わらなかった


だからといって、今更復縁していいぞなんて言えなくなっていた
< 210 / 269 >

この作品をシェア

pagetop