二度目の恋


「三木田社長は……いつか一輝様と美奈さんが再会される事をのぞんでいたのではないかと……だから美奈さんを我が社にとどめていたのではないかと、」

「……以前、美奈さんと遥輝くんがお見舞いに来られたあと、話すことが出来たんです。社長は夢を見たっとおっしゃってました……美奈さんと遥輝くんが来てくれたって。奥様もいて、一輝様もいて……幸せだと……」


夢…じゃないのに……
正直、三木田社長がしたことは
許される事じゃない


『……文句ひとつ……言いたかったです』


言いたい事言えたら
また違ったのかもしれない


加瀬さんは
これからいそがしくなると伝えてくれた
私や一輝のお母さんは
葬儀では部外者扱いになるだろう、と。


「美奈さんたちは、三木田社長のご自宅でお迎えの準備をお願いします。それと、一輝社長の礼服一式を準備願います。運転手の今野を付かせますので、使ってください」


私と遥輝、一輝のお母さんは
加瀬さんの指示通りに動くしかなかった


私は一輝に会えないまま、病院を出た
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