二度目の恋
1時間遅れて河村さんがやってきた
「遅くなってしまいすみません」
走ってきたんだろう
額にはジワリと汗が光る
『大丈夫ですよ、まず座ってください。河村さんビール?』
私が頼もうとしたけど
自分で頼みますっと、河村さんは
店員さんに合図しビールを頼んだ
「……か、河村さん、お疲れ様です」
ようやく腰を下ろした河村さんに
佳奈さんは声をかけた
「あ、はい。お疲れ様です」
……いやだ、
ただ挨拶しただけなのに
二人して顔が真っ赤だ
『……ふふ、紹介は必要なさそうね。河村さん、こちら遥輝です』
私は遥輝を紹介した
「初めまして、遥輝です。いつも美奈ちゃんがお世話になってます」
そういうと河村さんは丁寧に名刺を出し
挨拶をしていた
さすがに遥輝も驚いたみたいで
「なんか、大人って感じですね!俺、名刺とかないんですが……『ブライト』っていう服屋で働いてます」