二度目の恋
「……久しぶり」
『……ええ……』
一輝……柳原一輝
20年前、私が愛した人……
「……元気にしてた?」
『……まあ……』
今更…何を話す?
ただの挨拶すらできていない私
「……美奈、あのさ、」
一輝が何かを話そうとした時
「田宮さん?大丈夫?」
佳奈さんの声にハッとした
「帰りが遅いから、具合悪いのかと思って迎えにきちゃった」
そう言いながら、佳奈さんは私の元へきた
「……田宮?」
一輝は驚いた顔を一瞬した
そうだろう……
20年前、私は田宮ではないから。
一輝は何かを言いたそうな顔をしていたが
『うん、大丈夫。戻ろう』
私はそれを無視し
佳奈さんに告げ、私は一輝に会釈して
その場を去った
説明する必要はない
それに、二度と会わないだろう。
いや、会ってはダメなんだ。