二度目の恋
「美奈ちゃんの好きなようにしたらいい」
遥輝はそう言ってくれた
今は前みたいに安定した収入が必要ってわけじゃない
遥輝も働いてるし、ある程度の収入があれば暮らしていける
けど、10年。
仕事は大変だけど、営業事務だけど楽しいしやりがいがある
離れるのは、やはり寂しいもんだ
そして、約束の時間10分前。
私は指定されたBルームの前にいる
深呼吸をし、ドアをノックした
『営業部の田宮です』
「入りなさい」
……この声は、営業部長だ
なぜ部長が?
人事部からの連絡だから
人事の人は必ずいるだろう
私はもう一度深呼吸をして
会議室のドアを開けた
一度頭を下げ、どうぞ、と営業部長に示された席へと歩く
誰がいるなんて、わからない
そのくらい異様な雰囲気だ
失礼します、そう言って腰を下ろした