二度目の恋
『営業部の田宮です』
そういうと、どうぞ、という
一輝の声が聞こえた
社長室のドアを開け
中に入れば、机に向かって
仕事をしている一輝の姿があった
「座ってまってて」
私を見ず、パソコンに向かっていた
忙しいんだろう…
一輝の机には資料だらけ
机の周りの床にも、散らばっていた
かなり忙しいんだろう……
10分くらいして、一輝が発していた音がすべて止まった
一輝の方に視線を向けると
椅子の背もたれに身体を預けて
目をつぶったまま、上を向いている
かなり疲れてるようにも見えた
そして、すぐ目を開け
私の方へと歩いてきた
「ごめん、待たせてしまった」
『……いえ、忙しそうですね』
その言葉が意外だったのか
ヘヘッと笑って、私の向かいに座る