二度目の恋
一輝に抱きしめられている
夢のような状況
いや、夢なのかもしれない。
「……俺に、話して」
耳元で聞こえてきた声
それが更に私の目から涙が溢れ出す
泣きながら、詰まりながらも
私は20年前の事を話した
弁護士が来たこと、お金を提示されたけど、返して追い払ったこと
親に怒鳴られ、叩かれたこと
一輝の携帯に電話したこと、大学へ、当時住んでいたアパートに行ったこと
一輝に捨てられたと思ったことを話した
何度もごめん、と言っては
私をぎゅっと抱きしめてくれた
自然に私の腕は
一輝の背中へと回していた
どのくらい抱き合っていたか
どのくらい泣いたのか、わからない
「美奈、まだもう少し一緒にいたい。俺のワガママ……聞いてくれる?」
その言葉に私は頷く事しか出来ない