二度目の恋
ピンポーン……
静かな部屋に鳴り響く音
私は恐る恐る、モニターを覗いた
『あ、一輝だ』
モニターのボタンを押すと
オートロックは解除された
なんか、凄いな……
お金持ちって感じ
やっぱり住む世界が違うんだな……
そう考えてたら、またインターホンが鳴った
これは……と、玄関を開けた
玄関を開ければ
一瞬驚いた一輝、それに驚く私
なんだか新鮮で笑えてしまった
『……お、おかえりなさ、い』
「あ、…ああ、ただいま」
20年前も、こうしたっけ……
玄関に入ると、一輝は私を引き寄せ
優しく抱きしめてきた
「……ただいま」
一輝の声が……震えてるように聞こえた
『……ん、おかえり。……簡単なものだけど、ご飯作ったよ?』
そういうと、ぎゅっと強く抱きしめてくる
「…いい匂い、した。昔に……戻ったかと思った…。やっぱり、美奈がいるといいな……、安心する」
小さく、ボソボソと言う一輝
私にだけ、言うように……。