二度目の恋



私たちは20年ぶりに食事をした
初めは緊張したけど
たわいもない話をしたり
会社の話をしたり
アメリカでの話をしたり……



食事が終わり、私は片付け
一輝はお風呂に入っていた


そろそろ帰らないと、と
思うけど、離れがたい



けど、やはり帰らないといけない
遥輝がいるから

私は女である前に母親だから




「美奈……風呂入ってこい」



お風呂から上がった一輝
上半身裸で、タオルで髪をガシガシしながらキッチンに来た



『ん……、今日は、帰るよ?』


そういうと、えっ?と反応された
……ごめん、そう言いそうになる




『まだ……きちんとしなきゃ、いけないことあるから……だから、』



そう言うと、後ろから抱きしめてきた



「……あの男か?」



あながち間違いではない。遥輝のこと。



『もう少し、……いるから』



だから、今日は許してほしい
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