二度目の恋



一輝は私の腕を掴み歩き出す



『か、一輝?、な、ちょっと!』


私の言葉なんか聞いてくれない
私が連れてこられたのは、寝室

私をベッドに放り投げる



『わぁっ、ちょっと、』


そう抗議しようとした時には
もう、一輝は私に覆い被さろうとしていた



『ちょ、ちょっと待って……っ』



20年経っても……忘れてない
一輝の肩には古い傷
昔、両親が喧嘩をしていた時に
仲裁に入った時に、過ってつけられた傷


当時の私は、その嫌な思い出を忘れて欲しくて、身体を重ねた時は必ずそこに何度もキスをしていた


「もう、痛くないんだけど?」

一輝は言っていたけど
今の痛さとかじゃない
嫌な思い出、ではなく
私がいつもキスをする、という
記憶に塗り替えたかったんだ……
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