二度目の恋
私の指先は、傷に触れていた
20年も経っていても、変わらない傷
当時、一輝は小学生だったはず
そんな小さい体に、残るような傷
どんなに痛かったろうか……
「そんな顔、すんな。」
一輝が辛そうな顔をしながら
私の頬に触れてきた
「いつもコレ見るたびに、辛そうな顔してた。その顔させてるのが嫌だった、」
そうだったの?
私ね、てっきり、
嫌な思い出なんだと……勘違い、
『私達……勘違いばかりね』
好きで勘違いしたわけじゃない
周りの大人たちに翻弄され
勘違いせざるを得なかった
「俺達は、ガキだったからな」
そう、私は16歳、あなたは20歳
大人になりきれない子供だった
「……けど、今はいい大人だ。自分のことは自分で決めれる……」
そう言って、一輝の顔は近づいてきた