二度目の恋



一輝は首にかけていたタオルで
涙を拭いてくれた


それがなんだか、恥ずかしい
20年ぶりに見た一輝の肌
そんなの遥輝の風呂上がりで見慣れている
はずなのに……


この20年、遥輝以外の男の人の身体を見たことはない
っと言っても、遥輝と最後に一緒にお風呂に入ったのは……小学3年生だったかな



「美奈……もう一回、」


え?何が?
そう聞こうとした時には
また一輝の顔が近くにあって


「……キス、したい」


そう言い終われば
すぐ唇が触れてきた



すぐ離れるかと思えば違い
一樹の手で頭を支えられ
離さない、と言わんばかりのキスの嵐


自然に舌を絡ませ、
どのくらいの時間が経ったのか
気がつけば息も荒れていた


コツンとおでこをくっつけてきた一輝


「美奈、やっぱり美奈だ。」
「美奈……愛してる」


その言葉……
20年前にも、言われた。
まだ幼かった私は
好きと愛してるを同じ意味に思っていた


けど。今、初めて違ったんだとわかった。
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