詩集ー七色の空ー
ひたすら
心の傷など気にしてるヒマはなかった
生き延びることに必死だったんだ
俺の弟は優しい
繊細で
つい守ってやらねばと思った
弟は
体に傷がつかない代わりとでもいうように
自分のトラウマに苦しめられるようになった
俺は知っている
自分で痛みを忘れる術を
俺は知っている
自分の手で大切なものを守る方法を
すべて弟のためだったのに
俺のしてきたことは弟を苦しめてしまい
最後は決別することになった
それでも俺は生きなければならない
弟を失っても
もう後戻りはできないのだから
帰る場所などないのだから