詩集ー七色の空ー
洒涙雨(さいるいう)
仲良しだった二人は
引き離され
年に一度しか会えなくなってしまった
織姫と彦星
晴れの日の七夕
天の川で会うことができる
だけど今年は小雨
二人は天の川を渡れなかった
気の多い彦星は織姫のことを忘れて
他の星を懸命に追いかける
キラキラ輝く星はどれも魅力的だから
寂しさを忘れさせてくれるから
それでいいや 楽しいや と
楽しい恋 刹那的な快楽
翌年それを知った織姫は
ショックを超えて深く呆れた
そんな人に用はない
もっと素敵な星の元へ行く
そう言い残し
雨と共に遠くの夜空へ
よく晴れた翌年の七夕
クセのように天の川を訪れた彦星は
織姫を待った
いくら待っても来なかった
彼女は
本当に本当に
別の場所へ行ってしまった
大切なのは君だけだったと
後悔の流れ星
頬を伝う
表現に困る
悲しいほど綺麗
宇宙の奥深くまで
星々の輝きが散らばっていた