溺愛御曹司の罠 〜これがハニートラップというやつですか？〜

　今の話で気になったのは、そこか、と言われる。

「でも、飛鷹課長、落ち着き払ってるから、そんな風に見えないです。
　おじさんたちも、みんな雰囲気に呑まれてましたよ。

　大丈夫ですよ。
　堂々としてれば、みんな、なんとなく従いますよ」

　なんとなくね、と昌磨は苦笑する。

「どうでもいいが、乗れ」

　花音は後部座席から降りたまま、中に顔を覗けてずっとしゃべっていた。

「早くしろ、遅れる」
と言われ、慌てて、助手席のドアを開けた。

　だって、この人の隣なんて緊張しちゃうよ～。

　そう思いながらも、上司に逆らうわけにもいかないので助手席に乗り込んだ。