溺愛御曹司の罠 〜これがハニートラップというやつですか?〜
振り返ったときには、扉は閉まっていた。
侮れないな。
さすが、花音の兄、と思った。
まるで気づかぬ風を装っていたのに。
花音には口止めしておいたので、彼女がしゃべったわけではないだろう。
自分が職場の人間であることも知らなかったようだし。
それにしても、あれが兄貴か。
顔は似てるが、花音とは全然、雰囲気が違う。
あれがずっと側に居たら、相手の男に求めるハードルも上がるだろうな、と思った。
両隣の家を見て、このどちらかがあのデカイ男、沢木拓海の家か、と思う。
いつも二人で楽しそうにしているのを見ていると、少しイラつくのだが。
あれこそ、兄妹のように見えなくもない。
去ろうとしたとき、花音の間の抜けた叫び声と、兄貴の怒鳴る声が聞こえてきた。
……またなにをやらかした、花音、と振り返りながらも、夜道を歩き出す。
侮れないな。
さすが、花音の兄、と思った。
まるで気づかぬ風を装っていたのに。
花音には口止めしておいたので、彼女がしゃべったわけではないだろう。
自分が職場の人間であることも知らなかったようだし。
それにしても、あれが兄貴か。
顔は似てるが、花音とは全然、雰囲気が違う。
あれがずっと側に居たら、相手の男に求めるハードルも上がるだろうな、と思った。
両隣の家を見て、このどちらかがあのデカイ男、沢木拓海の家か、と思う。
いつも二人で楽しそうにしているのを見ていると、少しイラつくのだが。
あれこそ、兄妹のように見えなくもない。
去ろうとしたとき、花音の間の抜けた叫び声と、兄貴の怒鳴る声が聞こえてきた。
……またなにをやらかした、花音、と振り返りながらも、夜道を歩き出す。