早く俺を、好きになれ。
鼻水と涙でぐちゃぐちゃな顔を虎ちゃんに向ける。
蘭の前でもこんなに泣いたことはないのに。
「すっげー悲惨な顔!ウケるし」
「う、うるさいなぁ……!仕方ないでしょ!」
虎ちゃんの前だと素直に泣けちゃったんだから。
涙が止まらなかったんだから。
クスクス笑う虎ちゃんを軽く睨み付ける。
ホントはこんな態度を取りたくないのに、素直になれない可愛くない私。
ねぇ、虎ちゃん。
こんな私のどこが良いの?
良いとこなんて、ひとつもないのに。
でも……それでも。
好きになってくれてありがとう。
「冗談だろ、本気にするなよ。それと、泣きたくなったらいつでも呼んで。寝てようが風呂に入ってようが、飛んで行くから」
「……ありがと」
どうしてそこまでしてくれるの?
そんなに優しいの?
心配ばかりさせちゃってごめんね。
やっぱり虎ちゃんは優しいね。
だから男女問わずみんなに好かれるんだよね。
今日は虎ちゃんの優しさに救われた。