早く俺を、好きになれ。
曲がったことが大嫌いで、理不尽なことを見過ごせない性格。
だからこそ、虎ちゃんはみんなから信頼されてるし人望も厚いんだと思う。
みんなの前でこうやって意見を言う姿にも尊敬しちゃう。
「うーん、しかしだなぁ。だったら、末永がやってくれるか?」
先生はこれ以上もう考える気がないらしい。
とりあえず決まれば誰がやってもいいと思ってるみたいで、なかば投げやりに武富君から虎ちゃんに振った。
「俺はべつにやってもいいっすけど」
その瞬間、教室の中がざわついた。
女子の目の色が変わったのが後ろから見ていて丸わかり。
きっと、みんな虎ちゃんとやりたいんだろう。
こりゃ女子の方はすぐ決まりそうだな。
ラッキー。
「おー、だったら男子は末永に決まりだな。女子は……」
「咲彩でお願いします」
先生が女子に聞くよりも早く、虎ちゃんがすかさず口を挟んだ。
んっ!?
ちょっと待って。
今、誰の名前言った……?