早く俺を、好きになれ。
「わー、わかーい!幼い〜!」
中学時代の武富君は今よりも髪が短くて、子どもっぽさが抜けていない幼い印象だった。
目を輝かせる私に、クスッと笑みをこぼす叶ちゃん。
「そんなに好きなんだね」
「うん……彼女がいるってわかっても、諦めがつかなくて。私ってホントに不毛な恋をしてるよね」
そう認めた瞬間、一気に気分が重くなってテンションが下がった。
不毛だとわかってるくせに、諦められないんだからタチが悪い。
「斎藤君は今彼女いるんだっけ?いないならさ、頑張ってみたら?」
「えっ?が、頑張るって!?」
私の言葉に目を見開いてギョッとする叶ちゃん。
「彼女になれるように頑張ってみたらってこと」
「ムリムリムリムリーッ!あたしなんか根暗だし、太陽みたいに明るい斎藤君には似合わないよっ」
「いや、何言ってんの。叶ちゃんなら誰とでもお似合いだから。めちゃくちゃ可愛いし」
私がそう言っても、叶ちゃんは「ムリだよ」と自信なさげ。