早く俺を、好きになれ。
疑問に思ったけど、振り返ることが出来ない。
こんなぐちゃぐちゃな顔、見られたくないよ。
「気持ちをぶつけろって、背中を押してくれただろ?それって……なかなか出来ないよなぁって」
後ろを振り返ることが出来ない。
今武富君の顔を見たら、きっとまた涙が出ちゃう。
「……サンキューな。頑張ってみるよ」
小さく頷くことが、今の私にできる精いっぱいのことだった。
私の声は、ちゃんと武富君に届いてたんだ。
でも……本当は頑張ってほしいだなんて思ってない。
そんなのは私の精いっぱいの強がりだ。
でもね……。
複雑だけど、きちんと私の気持ちに向き合ってくれた武富君を応援したい。
誰よりも幸せになってほしいっていう気持ちは、紛れもなくホンモノなの。
こんなの矛盾してるよね。
この胸の痛みが早く消えることだけを願って、ドラッグストアまでひたすら歩いた。