早く俺を、好きになれ。


「お待たせ致しました、クリームチーズパフェでございます」



放課後、叶ちゃんの地元のパフェが食べたくなって2人で寄り道をした。


1回目ですっかりハマってしまったクリームチーズパフェを見て、一気にテンションが上がる。


目の前に置かれたパフェのクリームをスプーンですくって、口に運ぶ。


うーん、美味しい!



「武富君のこと、まだ好き?」


「え……?」



叶ちゃんはパフェに手を付けることなく、浮かない顔で私を見ている。


思わず手を止めて、口の中に入れたクリームをゴクンと飲み込んだ。



「わかんないけど、悲しくはないよ。武富君が幸せなら、それでいいかなぁって思ってる」


「そっか!」


「うん。もう泣くこともなくなったし、前に進めてるのかもね」



少しずつ少しずつ、武富君のことを思い出にできてる気がする。


そりゃまだツラいけど、前に比べるとずいぶん楽になったのは事実。


ツラくて苦しい時は想像もつかなかったけど、時間が解決してくれることってほんとにあるんだね。


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