早く俺を、好きになれ。
埋めるもの
気付くと夏休みに突入していた。
あれから、なんだか心が晴れないままだ。
自分の部屋のベッドにゴロンと横たわって、天井を見上げる。
「ヒマだなぁ」
毎日毎日、やることがないからダラダラしながら過ごしてる。
なんだか時間をムダに過ごしてる気がするけど、何もやる気が起きないから仕方ないよね。
虎ちゃんと顔を合わせにくいから、蘭の家にも今は気軽に行けないし。
退屈だ。
「はぁ」
ため息ばっかりで嫌になる。
こんなウジウジした自分は嫌だから、どうにかして現状を打破したい。
でも、打つ手なし。
自分がどうしたいのかもわからない。
なにに落ち込んでいるのかも、どうしてこんなに満たされないのかもわからない。
「あー!もう!って……うわっ」
ーードサッ
勢いよく起き上がると、お尻の位置がギリギリベッドからはみ出してしまい、床にずり落ちてしまった。
「いったぁ……」
もう、なんなの?
ホント、ついてない。
しかも、この部屋暑すぎでしょ!
私の部屋にはクーラーがないから、昼間は蒸し風呂状態でとてもじゃないけどいられたもんじゃない。