早く俺を、好きになれ。


やっぱり武富君はキラキラして眩しくて、笑顔がよく似合う太陽みたいな男の子だ。


私が好きになったのは、少し控えめなそんな武富君だった。


……大好きでした。



自然と頬が緩んだとき、どこかから突き刺さるほどの視線を感じて振り返った。



ーードキン



思わず鼓動が跳ねたのは、虎ちゃんが真剣な顔でこっちを見ていたから。


昨日のお礼を言わなきゃ。


そう思って近寄ろうとすると、虎ちゃんは私を避けるようにしてあからさまに立ち上がって教室を出た。


え……?


なんで?


どうして……?


昨日は普通だったじゃん。


それなのに、どうして避けるの?


もう、私とは話したくないってこと?


って……当然か。


自分のしたことを忘れたわけじゃない。


避けられる理由は嫌ってほどわかってる。


ここ数ヶ月で心の距離がグンと広がった気がする。


もう……笑いかけてくれないんだよね。


胸が……苦しいよ。


虎ちゃんを好きなわけじゃないのに、どうしてこんなに苦しいんだろう。


ツラいんだろう。



新学期が始まって数週間が過ぎても、虎ちゃんとの距離が埋まることはなかった。



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