早く俺を、好きになれ。


「咲彩」


「な、なに……?」


真剣な目で見られると、なんだかソワソワして落ち着かない。


ズルいよ、そんな目で見るなんて。


ドキドキするじゃん……。


「今度は、咲彩から言わせてやるよ」


「へっ!?」


なにを、言わせるって?


「好きだって」


「えっ!?す、好き……?」


言ったじゃん。


言った、よね?


「俺のことが好きでたまらないって、絶対言わせる」


「え!?なにいきなり」


なにがどうなって、そうなったの?


虎ちゃんはやっぱり、相変わらず突拍子もないことを言うよね。


私の方から、好きって言わせる……?


「ダチとしてじゃなくて、俺のことを男として好きにさせてみせるから」


< 267 / 307 >

この作品をシェア

pagetop