早く俺を、好きになれ。
「ありがとう〜!咲彩もやれば出来るじゃないの」
中に入ったクッキーを見て、お母さんはニコニコと嬉しそう。
クッキーをもらって喜ぶなんて、お母さんもまだまだ子どもだな。
虎ちゃんと同じじゃん。
「まだまだだよ。教えてもらいながら作った物だし」
「いいのよ。心がこもってたらそれだけで」
「そうかなー?見た目も大事じゃない?」
「ないない。大事なのは、心よ。心」
「うん。でも、うまく作れるようになりたいから」
武富君のために頑張るんだ。
「そうよね、基本を押さえるのは大事だもんね。まぁ頑張りなさい」
「うん、ありがとう」
いつも私の味方をしてくれる優しいお母さんに励まされて、一気にやる気が湧いて来た。