早く俺を、好きになれ。
もっともっとうまくなりたい。
せめて、クッキーを1人で作れるようになれたらな。
「そっか、最初はそんなもんだよね。でも、なんで急に調理部なんてマイナーな部に入ったの?」
ブロンドヘアを指に巻き付けながら、叶ちゃんがニッコリ笑った。
笑うと天使みたいでますます可愛いんだ。
「マイナーって。た、ただ単にお菓子作りがしたかっただけだよ」
叶ちゃんには武富君のことを話していないから、深く突っ込まれると言い訳に困る。
「へえ、そうなんだ。てっきり、好きな人でも出来たのかと思ったよ」
「へっ!?」
涼しげに言う叶ちゃんに、私は大きく目を見開いた。
バ、バレてる?