早く俺を、好きになれ。


「つーか、俺にも悩みぐらいあるんだけどなー!」



「え?そうなの?」



あるんだ?


意外。



「今度の練習試合に勝ちてーなとか、誰か応援しに来てくんねーかなとか、願掛けにミサンガ作ってくんねーかなとか」



ん?



「それって悩みとは言わないよね?ただの願望なんじゃないの?」



カレーパンをモグモグ頬張る虎ちゃんの横顔を見つめる。



「ま、そうとも言うな」



「いや、そうとしか言わないからっ」



「んー、そうか?俺にとっては同じだけどな」



この人、ホントに大丈夫なんだろうか。


日本語の意味を理解出来ていないんじゃ?


時々心配になる。



「深く考えるなって。それより、応援しに来てくれるんだろ?ミサンガも」



「まぁ、応援には行ってもいいけど。ミサンガは普通は彼女に作ってもらうもんでしょ?だから頑張れるんじゃん?」



私、虎ちゃんの彼女じゃないし。


それに私が願掛けして作ったミサンガって、なんだか縁起が悪そうな気がするんだよね。


試合に負けちゃいそう。


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