早く俺を、好きになれ。
当然だけど、私は2人の間に入れないんだ。
「その人のことが……好きなの?」
どうしてこんなことを聞いちゃったんだろう。
バカだよね、自分から傷付きに行くなんて。
武富君から直接聞いて、ホントは2人が付き合ってるのを知ってるくせに。
ホント……バカ。
「えっ……!?そ、それは……っ」
織田さんは目を見開いたあと、頬を赤く染めて軽くうつむいた。
この反応……。
だけど、確認しなくても最初からわかってた。
小さい頃から手作りのお菓子を作っちゃうほど、武富君のことが好きだったんだよね?
それほど大切な存在だったんだよね?
織田さんの態度を見てそう悟ってしまった。
「す、好き……かな」
ボンッと音が鳴りそうなほど、真っ赤になる織田さん。
胸が痛かったけど、素直にそう口にする織田さんはすごく可愛かった。