黒ずきんちゃん。
「どうして……どうして……っ」
さて。
ここは、あの赤ずきんちゃんの家。
泣き崩れている女の人がいます。
赤ずきんちゃんの、お母さんです。
「まだ無理だったんだわ……私があの子を、狼のいる危険な森に一人で行かせたから……!
あの子が家に行かなかったら、おばあちゃんだって無事だったかも知れないのに……」
自分を責めてしまっています。
娘と母親を同時に失ったお母さんの悲しみは、はかり知れませんでした……。
そんなお母さんを、ずっと見ていた女の子がいました。
赤ずきんちゃんの、妹です。