僕の(わたしの)生きる世界1[完]
ー入学から5日目ー

「基礎は覚えましたの?」

モニカの問いに、ステラはピースする。

そんなステラの反応に、モニカは面食らった。

「…も…///…もう!ステラの動作は、本当に意外な事が多すぎですわ!前世の記憶の影響なのですか?」

「フフフ。モニカの言う通り、そうかもしれない。わたしの中に、前世の佐々木 海斗の人格もあるし、ステラとしての15年の人格もあるの。だから男女どっちの意識もあるような、そんな感じなのよ。」

授業は順調にこなしていく。

クラスメートも、モニカの教えでかなり長い間出せるようになった。

モニカは、一つではなく、二つ出して維持が出来るように、と少しずつレベルを上げた。

2属性以上使えるメンバーは、確実に扱えるように訓練を行う。

そうして夕方

授業が終わると、この日は討伐依頼が入っていない為、ステラはテスト勉強をしようと思った。

そこに、ジェイクから来てほしいと念話が入った。

ステラはジェイクの部屋へ行くと、ヘンリーがいた。

「どうしたの?」

「ジェイク…いや、ポッサム領家として、総帝様にお願いしたい。どうか…ポッサムの民を助けてほしい。」

ヘンリーがジェイクに頭を下げていた。

「ヘンリー。分かった。ステラ、行こう!」

事情が分からず、ジェイクに連れてこられたのは、岩山が連なっている山間の村だった。

そこには、生気が無く、ボロボロの服をまとっている、村人がいた。

「ジェイク!?どう言うこと?」

「ここは、ポッサム領土だよ?ここは下流の者が住む村。ポッサムにはこういう村が多くあって、マッカーニーと違うのは、ほとんどが貴族の奴隷なんだ…。そしてここは、見捨てられた村。援助も無い。奴隷ですらないんだ。ヘンリーは、一人でこういう村を助けようとしている。」

その時、岩山から魔物の雄叫びが聞こえた。

雄叫びが近づいてくる!

白いローブを羽織ると直ぐに、結界を張るジェイク。

ステラも白いローブを羽織ると、杖を取り出した。

村人達は、そんな二人に反応はするが逃げようともしないし、何も話すこともしなかった。

現れたのは、大きく、体が岩で覆われていて、一見するとゴーレムのようだった。

ランクSS 岩男 1540

「ステラ!ランクSSだ!下がって!」

「ダメ!この人達を守らないと!」

ジェイクは、岩男に突っ込む。

覆われていた岩が、一瞬バラバラになるが、直ぐに元に戻ってしまう。

ジェイクは、風属性も混ぜて攻撃する。
バラバラにした岩が、戻らないように飛ばす。

岩男は、腕を振って殴ろうとするが、動きはジェイクの方が早い。

そんなとき、もう一つ叫び声が聞こえた。

ステラが後を見ると、もう一匹岩男がいた。

「これって…。この人達はわざとここに?」

ステラは、ある意味「乳母捨て山」のようだ…。と思った。

ステラは、杖を握りしめた。
真剣に思った。

あの魔物を倒したい。
この人達を助けたい。

と…。

ステラの体が淡い光を発する。

周りにいた妖精が、集まってくる。
妖精がステラに触れる。

《助ケル…援助…》

そんな念話が届くと、杖が風属性を帯びる。
ステラは、火の属性を杖に流す。

「この人達を、わたしは守るんだぁぁぁあ!」

ステラが叫ぶと、杖が反応し竜巻のような風と共に、炎が飛んでいった。

岩男は、粉々になって消えていった。

ジェイクも、デビルを召還して、岩男は闇へと落ちていった。
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