僕の(わたしの)生きる世界1[完]
客間には、カルロ ユアン ステラ ジェイク ヘンリーがいた。

「ステラ…。我愛する娘よ?どういう事かな?ポッサム家のヘンリー殿がいるとは?」

「お久しぶりです。カルロ様。この度は、お恥ずかしいお話で参りました。」

「お父様 助けてほしいんです。」

カルロは、話を聞こうじゃないかと言い、ステラはこれまでのことを話した。

聖属性も見せ、自宅にあった測定器で実際に見せた。

話せば話すほど、カルロとユアンは固まっていった。

そして、ポッサム領土での出来事までを話す。

そして、ジェイクが白いローブを羽織ると、挨拶をした。

「正体を明かしてからは、初めてですね?カルロ殿」

そこに、一人の男が転移してきた。

「ステラ!遅くなりました!大丈夫でしたか?ステラの気を感じていながら…。私は…。教師の会議が終わらず…。こんなのは言い訳にしかなりませんね?」

「お、お前は何者?」

カルロが問う。

ミハイルは、この状況もステラは大丈夫なのを分かってはいながら、ステラの安全を見たかったのだ。

ミハイルは、翼を出すとカルロに挨拶をした。

「失礼しました。ステラの安全をしっかり確認したかったものですから。私は神に仕える者。ミハイルと申します。」

カルロとユアンは、息を飲んだ。

ミハイルは、その後直ぐに用事がある、また後で、と転移していった。

「わ、解った。ステラは神に選ばれしお子だったのだな…。神が私たち夫婦を選んでくれたと言うのは、とても光栄ではないか。」

カルロはそう言って、ヘンリーやジェイクを見る。

「そして、総帝様とこうしてお近づきになれたのも、ヘンリー殿がキーリを頼ってくれたのも。運命と言うもの。庭にいるあの人々なら、私に任せなさい。住まう場所も、キーリでは身分制は無いから、奴隷なんかでは無く、普通の職を紹介します。だが、ヘンリー殿、民はあの者たちだけではない。早く迎えをお願いしますぞ?」


ヘンリーは、深々と頭を下げた。

「この恩は必ずお返し致します。」

「あぁ それならば、私ではなく、ユアンに返してやってくれ?」

ユアンは笑顔でヘンリーと握手する。

「私は、ヘンリー殿が継いだらポッサム家と、協力していきたいと思う。ヘンリー殿、総帝様、ステラを、妹をよろしくお願いします。あの天使様にも、お伝えください。」

そう言ってユアンは、ミハイルを思い出したのか笑い始めた。

「しっかし、ステラ。天使様はステラにぞっこんなんだな?」

と言って、更に大笑いした。

ぞっこん?

ステラは、その意味を直ぐに理解すると、
頭を振った。

イヤイヤ。相手は天使なのだ。
そして、ステラは人間である。
そんなアホな。と否定した。

それを微妙な心境でいたのが、ジェイクだった。

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